研究の目的
スポーツ鬼ごっこは、時間内に宝を多くハントしたチームの勝ちです。相手の陣地にある宝を取りに行きながら、自分の陣地の宝を守ります。同時に相手の宝を取った時は、両方に点が与えられる場合もありますが、ルールでは少しでも早くハントしたチームに点数が与えられます。
ハントの判断は、審判の目視により行われていますが、実際の試合では判断に迷う場面がたくさんあります。
そこで、審判の判断をIoT技術によって手助けしながら、スポーツ鬼ごっこのハントがより楽しくなるようなハント判定システムを開発することにしました。
研究内容
それぞれの宝の中に、小型の振動センサーをつけて、ハント時の振動を感知して、無線でスマートフォンに電波を飛ばし、どちらのハントが早かったかを判定するプログラムを作ります。
また、スマートフォン側で電波を受信した時に、それぞれ異なる音を出すようにすることで、審判、選手、観客みんながハントのタイミングを知ることができるようにします。
今回は、MESHのMoveタグ(重さ13g、Bluetooth通信)を振動センサーとして使用し、MESHプログラムで動作するシステムを試作しました。
そして、試作システムをスポーツ鬼ごっこの練習で使用して検証しました。
研究結果
振動センサーの強度:ハントした時の振動強度を何度も計測し、ちょっと触れた程度の振動ではなく、しっかり宝を上にした時に電波を発信するように調整しました。
受信電波の距離:Bluetooth通信では最大10m程度までなので、コートから離れ過ぎると電波が届かない場合がありました。その場合は、スマートフォンを2台に増やしてそれぞれセンサーの近くに置くことで解決することができると思います。
音の出し方の工夫:音だけではどちらのチームの得点なのか分かりにくいのでチーム名などを読み上げる方がいいと思いました。
感知した時間の記録:振動を感知したらタイムスタンプを追加し、ハントの記録をクラウド上に自動的に残せるようにしました。
まとめ
小型の振動センサーとスマートフォンを使用することで、現状の宝に取り付けるだけで、誰でも簡単に使えるスポーツ鬼ごっこのハント判定システムを開発できました。
このシステムがあれば、練習時にみんなでプレイしながら審判を兼ねるような場面でも便利に使えると思います。
今後も改良を進めて、スポーツ鬼ごっこがより楽しくなるようなシステムにしていきたいと思います。
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