スポーツ鬼ごっこの運動量ってどのくらい?歩数調査結果から他のスポーツとの違いを検証してみたい

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鬼ごっこ協会によれば、スポーツ鬼ごっこの利点として、「全身運動を通じて基礎体力の向上を図る」「運動神経のあるなしに関わらず、みんなで楽しさを共有できる。運動する機会のない子どもも気軽に参加できる」などが挙げられている。これは、スポーツ鬼ごっこを一度でも体験したことのある方であれば強く共感できる内容ではないだろうか。ついつい楽しくて、いつの間にか笑いながら体力の限界まで走りこんでしまう、そんな魅力がスポーツ鬼ごっこには確かにあるように思う。運動量に関しては、バスケットボールやサッカーには適わないまでも、少なくともウォーキングよりは多そうだ。それなら、子どもの基礎体力の向上はもちろん、大人の運動不足解消にだってもってこいだと言える。

ではこの「スポーツ鬼ごっこ」、実際に他のスポーツと比べてどのくらいの運動量になっているんだろうか。


運動量をものすごく簡易的に把握するための方法に「歩数計測」がある。軽〜中度の運動量の基準としては「10分あたり1,000歩」というのが示されており、厚生労働省の健康づくりの基本計画である「健康日本21」でも、この歩数基準をもとに1日あたりの運動量を簡易的に算出している。

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そこで、参加者に「歩数計」をつけてもらって、スポーツ鬼ごっこの試合でどのくらい運動しているのか、実際に歩数計測調査をやってみることにした。被験者は小学生の子ども7名と大人2名あわせて9名。昨年の12/24につくば市で開催された「クリスマスカップ2017」の試合中でのみ計測し、10分間あたりに換算した歩数の平均値は下表のような結果となった。

歩数調査結果

スポーツ鬼ごっこは前後半5分の試合中に頻繁に交代できること、戦略にもよるが攻撃と守備に分かれていることが多い。つまり、役割によってある程度バラツキがあることを考慮しておく必要があるものの、今回の被験者の歩数は概ね同程度の結果となった。

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「交代しながらの攻撃」と「フル出場の守備」は同じくらいの歩数だし、小学生と大人の歩数もあまり変わってはいない。サンプルが少ないため、このような属性別の有意差は比較できないけれど、スポーツ鬼ごっこの10分間換算歩数の平均は、概ね1,400歩程度であるという結果は言えそうだ。

ここで、他のスポーツの運動量を比べたものが次のグラフだ。

10分間換算歩数

※10分間歩数換算係数=運動による消費カロリーをウォーキングの歩数との比率で歩数換算したもの

野外の野球・ソフトボール、ゴルフが700歩、ウォーキングが1,000歩。体育館を使うバレーボールが1,300歩、激しいイメージがあるエアロビクスもここ。ラジオ体操ってウォーキング以上に動くんだということにも驚き。1,750歩の卓球、1,800歩のテニス、2,000歩のジョギング、2,300歩のバトミントンへと続く。ここから先は、かなりハード。サッカー、ラグビー、バスケットボールはなんと2,700歩もある。

仮に、単純に先ほどの歩数1400歩をここにそのまま当てはめれば、スポーツ鬼ごっこの運動量は、ウォーキングより大きい。他のスポーツと比べるとすれば、バレーボールと同等かそれ以上だが、サッカーやバスケットボールよりは小さい。ということになる。しかし、歩数調査はあくまでも運動量の目安でしかない。基準値は10分間1,000歩のウォーキングの消費カロリーなので、消費カロリーベースで比較する必要がある。そのため、調査方法や個人差、競技レベルによるバラツキが大きいとも考えられる。それでも、歩数による比較は相対的な比較の目安としては、とても分かりやすい。

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備考:
歩数調査結果は、相対比較することで意味があるデータになると考えられるので、今後の練習でも継続的にデータをとって変化を見ていけたらいいなと思っている。

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ただし、歩数計つけると、子どもたちは競いたくなるのか、普段よりたくさん動きたくなる気持ちに変化するようだ。例え、あなたが「特別な動きをしないで普段通りにしてもらえればいい」と調査方法を丁寧に説明したとしても、被験者の中には、必要以上のアップを勝手に開始したり、普段やったことのないような階段昇降運動をやり始めたり、場合によっては、歩数計を手に持って隠れてシャカシャカしてしまうようなバイヤス(偏り)が発生するので、データの取得には注意が必要である。

協力:ふじみ野スポーツ鬼ごっこ愛好会

 

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