小学5年生の長男、3Dモデリングソフトを使って自分でデザインしたものを3Dプリンターで出力する技術をほぼ独学で習得。そんな技術習得のプロセスを1つの研究記録としてポスターにまとめました。
はじめに
- 僕はロボット作りが好きなので、人の役に立つオリジナルのロボットを作りたいと考えている。
- ロボットの分野でも3Dプリンターでパーツが作られている。
- 3Dプリンターにより、誰でも自分で考えたアイディアを具体的な形にできるようになった。
- そのためには、3Dモデリングソフトを使って自分でデザインする必要がある。
- この研究は2つの研究から成り立っている。
- 研究①では、ミニ四駆とEV3をつなげてブレーキシステムをつくる研究を通して、3Dデザインで解決策を考えた。
- 研究②では、生活に役に立つものを自分で形にするために、実際に3Dプリントしてみた時の気づきをまとめた。
- その結果を受けて、オリジナルデザインの作品を作った。
インド・バンガロールにて
- 「国際STEMキャンプ in インド・バンガロール」に参加して1週間滞在。(日本から小学生2人)
- 現地のインターナショナルスクールで、3Dプリンターで出力したパーツやプラダンを使って、オリジナル四足歩行ロボットをつくった。
研究①:ミニ四駆とEV3をつなげてブレーキシステムを作る研究
- 3Dプリンターやレーザーカッターなどデジタル工作機械を使ったミニ四駆カスタマイズレース『Fabミニ四駆カップ』に出場。
<目標>
- レゴEV3のジャイロセンサーを使って坂道になるとかたむきを感知し、ブレーキをかけるなどの自動アシストを行う仕組みをプログラムしてミニ四駆で引っ張る「ミニ四駆+レゴEV3プログラム」を作成する。
<結果>
- レースでは、プログラムは成功し、ブレーキシステムは作動した。
- モーターへの反応が遅く、下り坂で作動するはずが上り坂で作動してしまった。
- しかし下り坂は、EV3本体の重みで飛ばずに進むことができた。
<今後>
- モーターではなく、自転車のようなタイヤを物理的に止めるブレーキシステムでやろうと思う。
- 3Dモデリングソフトを使ってミニ四駆ボディやパーツをデザインした。⇒今後3Dプリンタで出力予定。
研究②:3Dプリンターで生活に役立つものを自分で形にしよう
- 自分のアイディアを3Dプリンターで出力することで生活に役に立つ物を作りたい。
- 今回は、自分で使ってみたい壁面収納用の小物入れを3Dモデリングして、実際に作ってみた。
- 3Dモデリングソフトを使って、壁面収納用の小物入れを自分でデザインした。
- 今回は試作品として一番小さなフックを3Dプリンターで出力した。
- 3cm×3.5cm×3cmの出力に約30分かかった。これ以上の大型のものを作るのには相当の時間と費用がかかる。⇒小さな物が適している。
- ふくざつな造形は、出来る限りサポート材が少なくなるように出力する向きを考えないと後処理が大変。⇒サポート材の除去時に細かい部分が壊れやすい。
- 使える材料などが限られているため、強度がやや不足してしまう。
- 自分のアイディアを自由に形にできるので、これまでになかったような自分に使いやすい生活に役に立つ物を簡単に作ることが可能。
CNC切削加工にも挑戦
- 『fusion360のCAM機能を使ってCNCで削るワークショップ』に参加。
- USBメモリを入れる木製の小型ケースを自分でデザインして実際に加工。
- 3Dプリントは自由な形が作れるけど材料が限定されてしまう場合が多い。これに対して、CNC切削加工は、削れる範囲であればアルミや木などのかたい材料でも削ることが可能。
オリジナルデザインの作品づくり
- ふくざつな形を自由につくれる3Dプリントの特長を生かして、アルファベット文字を組み合わせて使ったオリジナルのネームプレート(名刺入れ)をデザインした。
- どのような文字の組み合わせでも対応可能で、自分だけのオリジナル作品になる。
- Fusion360で3Dモデリングした後、STLファイルに変換して出力できるようにした。
- 今回はオリジナルのネームプレート作品の1つを3Dプリンターで出力した。
- サポート材を除去して時間をかけてヤスリがけをしたが、文字のところがケバケバしている。
- 次回は、見えるところにサポート材がつかないようにモデリングの向きを工夫して出力したい。
- これはロボット競技大会のポスターブース用の名刺入れとして使用する。
研究のまとめ
- 研究①では、ミニ四駆とEV3をつなげてブレーキシステムをつくる研究を通して、3Dデザインで解決策を考えた。
- 今回は、EV3のパーツを使ってシステムを作っていたが3Dプリンターを使えばオリジナルのパーツを自由に追加できる。また、自分だけのお気に入りのデザインも作れることが分かった。
- 研究②では、生活に役に立つものを自分で形にするために、実際に3Dプリントしてみた時の気づきをまとめた。
- 3Dプリンターを使って分かったことは、物の形を考え、出力して削っても強度が保たれキレイになるような向きに出力したほうがいいこと。また、2つ以上に分けて出力し合成する考え方もある。
- その結果を受けて、オリジナルデザインの作品として、アルファベット文字を組み合わせて使ったオリジナルのネームプレート(名刺入れ)を作った。
- 僕はこれからも、3Dプリンターで生活の役に立つものをたくさんデザインして、どんどん出力していこうと思う。
研究協力:埼玉大学総合研究機構プロジェクト研究センター STEM教育研究センター『ロボットと未来研究会』/ FabCafe Tokyo
3Dモデリングソフト:Autodesk社『Fusion360』
3Dプリンター: Zortrax M200
参考図書:Fusion 360 モデリング・マスター(ソーテック社)
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