FFL2015全国大会前日練習、世界大会出場を目指したロボットがようやく完成


世界最大規模のロボット競技「FFL(ファーストレゴリーグ)」で世界大会出場を目標に活動中の長男たち。全国大会前日、研究室でロボットゲームの本番練習を行った。関東大会と比べて大幅な時間短縮に成功し、難易度が高く予選ではほとんどのチームがやらなかった「分別」ミッションの成功率がかなり高いのが特徴。動画撮影後にも本番練習を繰り返し、最後の最後の調整で600~700点は取れるようになっていた。


FLLのロボットゲーム。大会本番フィールドと練習フィールドは一緒のはずなのにわずかに傾きが違っていたり、歪んでいたり、マットが微妙にずれていたり、何かがちょっと違ったりするので、練習でいくらうまく行っても本番でうまくいかないことが割と当たり前。本番フィールドでの練習は、当日のわずか8分間のみ。ここで多少のずれがあっても、すぐに調整できるような冗長性、そもそもズレがあってもセンサーなどで途中で動きを修正できるプログラムを予め組みこんでおくことが必要だ。

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12月に開催された東日本大会では446点という高得点をとることができ、ロボットゲームでまさかの初日3位となった長男たち。


簡単なプログラムで短い移動距離の動きを重視することで精度を上げてズレの可能性を極力排除し、リスクの高いミッションは捨てて、点数は低くても確実にできるミッションの点数を確実に積み重ねられるように徹した戦術が見事にあたった形だ。ロボット経験の浅い長男たち最年少チームとしては欲張らないこの戦術はベスト。このまま全国大会まで時間切れでできなかったミッションを実行できるようにアタッチメントの切り替えやプログラム選択の練習を繰り返すことに徹して、もう1-2個のミッションができれば500点台後半も余裕で行けるようになったのでないだろうか。

ただし、予選では伸び悩んでいたけど本番フィールドにあわせた調整でもっと点数を伸ばしてくるのは他チームも同じ。世界大会出場権を得るためには予選の1位チームの点数を最低限越えて、600点後半から700点以上をとっておく必要がある。長男たちのチームのこれまでのロボット戦術では、ノーミスで最高得点を出してもこの点数には届かない。このままでは世界には行けない。

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関東大会終了後、全国大会までの1ヶ月ちょっとしかない時間で、長男たちが自分たちで話し合って選択したのは、複数のミッションを一度の動作で行うことによる時間短縮、今大会予選でわずか1-2チームしか成功しなかった「分別」ミッションへの挑戦。このため、予選大会でうまく行っていたロボットはまさかの0ベースですべて作り直すことに。本気で世界に行くために「ハイリスクハイリターン」を選択したということ。

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1ヶ月ちょっとと言っても、ロボットは1台しかないので、土日祝日は朝から夜遅くまでずっと研究室に閉じこもっても自分の担当プログラムを作って動きを確認できる時間はほんのわずかしかとれない。時間がないのに時間が取れない。自分のミッションが間に合わない長男はでかいミッションキットを研究室から家に持ち帰って作り続けるほど。それでも上手くいかなかった。家では焦りと不安から泣きながらプログラムしていた。

長男たちが所属する「ロボットと未来研究会」は埼玉大学の教育学部が主体となっている教育機関なので、子ども達の教育のために全て子ども自身が決めることが最大の特徴。基本的に学生のリーダーや保護者は一切介入しないのが方針。と言ってもノウハウがないとできないFLLには先生がつくのだが、今年はやむを得ない事情により先生がわずか2か月で不在となってしまった。途中から担当してくれた大学生のリーダーはよくやってくれたけどFLL経験はもちろんロボットの知識もない。チームメンバー4人中3人が初参加のため、保護者も手が出したくても知らないので出しようもない。本当の意味で子どもたちだけで行っていた活動だった。そんな大人の直接的なバックアップがほぼ皆無のチームは他にはなかったのではないかと思う。(でも、どんなに夜遅くなってもいつまでも研究室で見守ってくれるという間接的バックアップは本当にありがたかった)

FLLでやることはこの「ロボットゲーム」だけではない。自分たちを10分間でアピールする「コアバリュー」、ごみ問題の解決について研究した成果を5分で発表する「プロジェクト」、どのようにロボットを考えたのかを5分で説明する「ロボットデザイン」、他にも他のチームと交流を図るための「ブース」づくりなど盛りだくさん。

みんなの努力の成果で何とかギリギリ全ての準備が終了したのは全国大会前日の夜だった。

 

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